そして誰もいなくなった/アガサ・クリスティー
年末にNHKで放送された海外ドラマを見て買いました。クリスティーを読むのは初めて。
(内容を言うまでもないとは思いますが)謎の人物オーエン氏によって孤島に招かれた経歴も職業もバラバラの10人が、歌になぞらえて殺されていく話。
誰もいなくなるまでガンガン人は死んでいくものの、描写があっさりめなのでするっと読めました。翻訳もとても読みやすかった。
ドラマ版では最後、判事がクレイソーンさんの前に姿を現し死にゆく姿を見ながら独白をする…という結構エグい展開でしたが、原作は淡々と人が死んでいき、後に海に打ち上げられた告白手紙で締められる。という展開で面白かったです。
ずっと、探偵役が島外にいる話で、島内でも完全に誰もいなくなるのではなく、誰か一人が生き残るorメンバー以外に犯人が、という内容だと思っていたので本当に誰もいなくなってびっくりしました。
十角館も締めはこんな感じの独白だったような気がするので、この本が色々なミステリの本家本元なんでしょうか。
(私の初めての『いなくなる』ははやみねかおるの『そして五人がいなくなる』でした)
ドラマの判事がすごく好みだったんですけど(3話目まででどんどん好きになっていったのに犯人だった…)、原作だと亀のような仕草とか姿勢悪そうな表現とか、全然違うんですね。
ブロア氏もロンバードに『ずんぐり』とは呼ばれてなかったり、殺害方法もちょっと違ったり(熊や蜂あたり)、告発された罪の回想もちょっとずつ違ったような。
ドラマの記憶が残っているうちに読めて良かった。