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ゲームや小説の感想と壁打ち

暗黒館の殺人(三)/綾辻行人

ミステリ 小説

社会的にも立地的にも閉ざされた場所『暗黒館』での殺人事件、怒濤の展開の3巻でした。寝る前に30分だけ…と思って結局寝ないで読了してしまった…

過去の事件については神視点から回想、現在進行形の殺人については疑問点の整理が行われて、浦登家の謎についても概ね語られ…
推理をしながら読み進めている方はこのあたりで真相が読めたりするんでしょうか…私はさっぱり…というかまんまとミスリードに乗った感じがします…

<以下ネタバレ有>

感想含め、2巻までの疑問点から振り返っていきます。

浦登家について

この巻で玄児によってほぼ完全に語られたんじゃないでしょうか。
本当に…不死ネタでしたね……ダリアの悪魔との契約云々と肉の件は別としても、思想としてはあり得るかもしれない、というラインに感じました。
(……私も取り憑かれてしまったのでは)
ダリアの肉を食すことについて、中也は玄児に騙された気持ちが大きいと思うのですが、玄児や浦登家に生まれた子供たちは『全く知らされぬまま』<ダリアの祝福>を受けるわけで、それもまた…うーん。
ダリア殺害についても同様な気分の悪さがありますよね… 

モノローグ

>もしかして誰かと誰かが同一人物とか…そんなわけないか…
っていうのをずっと考えているのですが、今回もモノローグの謎は解消されませんでした。
東館の鏡が新しいことを論証にしたかったんですけど、単に『浦登家には鏡が存在しない』というだけだった……

あと、『もしかしてこれは鹿谷の小説で、モノローグとして<作者の神視点>が存在するのでは?』という可能性も今回思い浮かんだんですが…なさそう……
ただ、顔が云々、というのは何かあるんじゃないか、とまだ気になっています。

江南くん、元々浦登家に関係する人物なのでは?
藤沼一成の懐中時計の絵の件も気になりますし、柳士郎の態度も…(ただ、一成の絵については過去ではなく今作の『現在進行形の出来事』を幻視したのみ、ということではありそうですが)

あとは諸井さんの息子がもしかして江南家に預けられた…?とか、玄児は浦登家の人間ではないのでは?(玄児は本当に火事の時に死亡していて、記憶を失った諸井さんの息子を玄児として迎えた?)とか… 

双子のこと

ダリアの間の隠し部屋あたりで玄児が言っていた「野口先生には双子に特殊な思い入れが」という話、実は野口先生が父親で…?みたいなことを思っていました。が、最後の最後で凄い展開でしたね…
『双子はとうの昔に分離手術を受けていた』
心の問題、というのは、本当に、分離手術を受けたうえでなお、二人くっついた状態で生きているということに対する言葉だったのだなと……美惟の心の問題以上に根深い物がありそうで。ただもうこれについては本筋とは関係無いエピソードになるんでしょうか。 

真犯人について

わからない…全くわからない……
3巻読んでる時はまんまとハマって、中也同様双子が犯人なのでは、と思っていました。

感情的に気になるのは玄児・柳士郎あたりなんですが、論理的に考えると……誰にも不可能に思えて。過去の事件についても同様で、<神視点>の事件回想で、どんでん返しの額縁の前で殺害が行われたのは何故なのか、玄遙の遺体の体勢に意味はあるのか、全く見えてきません…

幽霊の声と思われていたものが伝声管から漏れてきていたものだった、というのも大きな手がかりになる気がします。
舞踏室などで何かを望和が聞いてしまった?のが殺害の原因では。(望和の精神状態から言うとなさそうな話ではあり…)

あと、市朗少年の「見たことのある気がする顔」とは、山中で事故に遭っていた人物の可能性もある…?

結局3巻でも結局江南くんの意識は朦朧としたままで…4巻ではちゃんと探偵役かそれに類ずる立場になるんですよね…?という不安が。
あとは鹿谷がどのように関わってくるのか、中也は何者なのか。
真犯人以上にそのあたりが気になって仕方ありません。 

疑問点まとめ

最終巻に持ち越したい疑問を最後にまとめておきます。

  • 今作での江南くん、鹿谷の役割とは?
  • 中也は何者なのか?(誰かと同一人物/記憶交換説・玄児が別人説含め)
  • モノローグの謎
  • 真犯人は誰か、また、過去の事件の謎

4巻もドドッと読んでしまう恐怖(寝不足的な意味で)とこの夢みたいな浮遊感が終わってしまう寂しさを抱えつつ、最終巻に挑もうと思います。