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ミステリや恋愛ゲームetc.の感想をゆるっと書いているブログ

不埒なロマンス小説の書き方/葉月エリカ

以前感想を書いた「執事の蜜愛に花嫁は喘ぐ」の直後に流れるように購入して読破してました。

変態編集×処女作家(の卵)のカップリングで、概ね執筆中に後ろから…指導と称して…などの表紙から想像できる感じのシチュエーション中心。
西洋文系モノ(?)で欠かせない羽根ペンプレイもあります(巻頭カラー口絵)。

性に奔放な作品を書く母親の原稿紛失の穴埋めとして、恋人がいたこともない主人公が官能小説を書かされるわけですが、主人公いくら何でも流されすぎでは……いやまあTLなのでこれくらいじゃないとお話が成り立たないと思いはしますが……

とはいえラルフのビジュアルと言動が好みだったので満足です。
やることやってても、作品を作ることについてはかなり真剣な所も良かった。ちゃんと寝て仕事して。

小説家モノは男女カップリングかBL、作家は着流しを愛用じゃないと…!!ってくらい着流し作家(男)に執着があるんですが、西洋設定だと女の子が作家の方がいいですね…男の方がフォーマル着てますからね……
(着流し作家はフルバの紫呉さんとか由利先生シリーズ(木下けい子)が好きです。作家じゃなくて本があれば何でもいいのでは…?と思ってしまいますが京極堂も好きです)

結びは「好きになってしまったけれど、この人が私を抱くのは小説のためなんだ…」からの実は両思いでした。という流れ。
よくある展開だし「執事の~」も同じだったけど、TLはこの流れが好きです。
最初に手を出しちゃった時の動機とか、別荘使用のあれこれとか、ラルフがただ攻めるドSキャラ、ってだけではなくて、主人公が悶々としだしてからの気持ちのすれ違いもぐっと来る感じに書かれていてとても楽しめました。
あとは「憧れの書き手に会えたファンというのは暴走しがちなものなんだ」のシーンが可愛かった。