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ミステリや恋愛ゲーム系の感想をゆるっと書いているブログ

暗黒館の殺人(四)/綾辻行人

暗黒館、完走しました!

長く連載されていたということで、ゆっくり読み進めていこう…と思っていたんですが、結局3,4巻は買ってすぐ一気読みしてしまった。
今回は全巻通してのネタバレになります。

前回までの感想はこちらに

暗黒館の殺人(一) / (二) / (三)

<以下ネタバレ有り>※今回は暗黒館全巻のネタバレになります

前回までの疑問点

  • 今作での江南くん、鹿谷の役割とは?
  • 中也は何者なのか?(誰かと同一人物/記憶交換説・玄児が別人説含め)
  • モノローグの謎
  • 真犯人は誰か、また、過去の事件の謎

ほぼ全て『江南くんが訪れた時と暗黒館での事件の時の時間軸が違う』で説明できましたね…そう言われてみればそういう描写に溢れているし、モノローグの意味深さもまさに!って感じなので、色々思い返してうわ~~~ってなりました…
しかも1巻を読んだあとの感想で、対岸での時系列がよくわからない…と引っかかっていたの、あれが物凄くキーになっていたんですよね…悔しい。
悔しいし全面降伏って感じです。
推理しながら読んでこの展開を当てた人もいたんだろうなあ…

特に、館シリーズの江南くんと、暗黒館にいた江南青年が別人だった…っていう事実にうわーくやしい…って……
記憶交換説とかはまあ人が違うものの若干かすっていましたが、中也=中村青司なんて一ミリも想像できなかったです。十角館の時もそうでしたが、言葉ひとつで見えている世界ががらっと変わるのが綾辻行人の小説で一番好きなところ。 

全体の感想

過去の事件

玄遙殺害についてのトリックは、館の奇天烈な構造で逃げられた…とかなのかと思っていましたが、そもそも誰もいなかったという。そうですよね、言われてみれば『鏡』という物も、『自分の姿』も知らないのだから勘違いもするわ…
柳士郎が「玄児には『嘘をつく』という概念がそもそも存在しない」と擁護していたのもヒントの一つだったんでしょうか…
これも『言葉一つで世界が変わる』を実感しました。
それにしても玄児までも玄遙の子供だったとは、恐ろしい…… 

暗黒館での『いま』の事件

玄児↔忠教の交換、忠教にとってはどうだったのかわかりませんが、玄児にとっては幸せだったのかな…と思いました。諸居のおかあさま、と一緒に過ごすことができたので…(そういえば靴下を諸居さんが特別に作ってくれたって描写もありましたよね…)
それでも、柳士郎・玄児・忠教の最期を考えるとつらさが残ります…諸居さんもダリアの肉を食べていなかったら忠教(元の玄児)に狂気は宿らなかったのかな。

あ、あと、 市朗少年が犯人の顔に見覚えが、って言っていた時、札入れの写真では?と思ったものの江南くんが犯人てことはないだろう…と何度もモヤモヤしていたのが悔しい。感想が悔しいばっかりですけどスッキリサッパリした悔しさがこみ上げてきて。 

江南くんや鹿谷氏のいる『いま』の時間軸

懐中時計が回り回って江南くんの所に…って中村青司の引力、強すぎでは…
とはいえ鹿谷氏ちゃんと出てきて安心しました。

シリーズの集大成(中間地点とはいえ)として、過去作の館の主の影が見え隠れしているんだと思っていたのですが、中村青司が「狂気の存在する空間」「不思議な館」と出会ったのがこの暗黒館だった。というのがちょっと鳥肌立ちました。

 

鬼丸老のような影やピアノの音色、惑いの檻のその後など、ふわっと不思議と気味の悪さが残る後味でしたが、その後の浦登家、どうなっているんでしょう。
『家人の医師』が、早老症から快復した清くんだといいな、とか思ったけど無理かな…
ダリアの宴は今でも行われているんだろうか…

 

暗黒館読んでる間、すごく長くて、暗くて、不思議な夢を見れた気がします。
トリック諸々を知った上でもう一回読みたい!読みたいけどいつになるかわからない…(長さの問題で)